前回の羊牧場の廃墟から、Flinders Ranges 国立公園へ。
今日は自然のことを知る記事。
公園のインフォメーションセンターで、ここの自然のことを読んでみた。

北部の熱帯地域からの季節風が洪水を引き起こすけれど、干ばつもよく起こる。
中部の過酷さと、南部の穏やかさ双方が、この地域の気候に影響を及す。

状況は毎年変わるし、見た目も変わる。
乾いていれば草は枯れ、荒廃とするが、また水が戻れば種が芽吹き、緑豊かになる。

この写真の奥に見えている山が、Wilpena Pound と呼ばれるものの一部。
その Wilpena Pound の全貌がこれ。

クレーター状に隆起した地層が、中央の盆地を囲んでいる。
pound は「叩く」なので、太古の巨人が拳を打ちつけたとでも言うようなネーミングだ。
ここを天然の家畜の囲いとして使っていた牧畜家が名づけたそうだ。そんな、広すぎないの、その囲い。
名前というものは、そのものが神秘だよなぁと常々思っているが、この Wilpena Pound という名前も、想像をかき立てられて好きだ。
動物もたくさん。

下のユーロは、サイズがカンガルーとワラビーの中間で、ワラルーとも呼ばれているらしい。

セスジムシクイってなんだろなと思ったら、鳥類スズメ目オーストラリアムシクイ科ってことで、やっぱり見た目の通りスズメなんだね。

唯一エミュだけは、実際に出会うことができた。ここでではないけど。
バイクより少し小さいくらいの背丈の鳥の群れが、のんびり道路を横切っていくのは長閑でよかった。
エミュはお父さんが、生後18ヶ月まで雛の面倒をみると書いてある。やつらはみんなお父さんっ子なんだな。

オーストラリアには、猛毒のヘビやクモなどがいる。
一匹で人を200人殺せる毒をもつようなヘビもいるというから恐ろしい。
この写真の説明には、「ほとんどの有毒のヘビはシャイで、可能であれば人を避けようとする。刺激しなければ、咬まれるようなことは滅多にない」とある。
僕が無事に帰ってこれたのは、運もあるが、アプリやサイトで人がオススメしている場所でしか野宿をしなかったということもあると思っている。
でもヘビのほうでも、僕のことを静かに見守ってくれていたのかもしれない。

ヨーロッパからの移民以降、絶滅した種は多く、今絶滅しようとしている種も多い。
そんななか、この土地は南北双方から、より良い環境を求めて動物がやってきている。
一方で、ここは決して安楽な土地でもなく、頭数は大きく増減変動し続けているそうだ。
僕のバイクは、日本の土が付いていたせいで、洗浄のために2週間、保税地域に留め置かれた。
それは、彼らを守るためということ。
ただ「検疫」と言われてもピンと来ないけど、かわいいワラビーに見つめられたら、「彼らを守らなくちゃいけないよね」となる。
本当は想像力を働かせて、ワラビーの顔を見なくても、そういうことが腑に落ちていなければいけない。
それが人間の知性ってもんだろうと思いはするけども、僕はまだまだ賢くはなれないみたいだ。
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